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Blindfold
第31章 結果オーライ
店長の家から降りて、店に入った私は更衣室で着替えをしながら、腰をさすった。
自分から誘ったとは言え、本当に昨日の店長は容赦なかった。
「いたい……」
独り言を言いながら、壁にもう片方の手をつくと、ガチャと更衣室の扉が開いた。
「お疲れさまです!」
「あぁ…おつかれ」
今日も元気いっぱいな様子の葵に、少しぐったりしながら返事をすると、葵は目をキラキラさせて私に近付いてきた。
「昨日、うまくいったんですね…!!」
「え、あ…まぁ、おかげさま、で」
何だか小っ恥ずかしくて目を泳がせていると、葵は「きゃーー!」と小さく叫んでジタバタとその場で足踏みをした。
「店長なんか幸せそうな顔してたからきっと上手くいったんだなって…、え、てか、桜さん、大丈夫です?」
腰をさすっている私に今更気付いたような反応をしている葵に、私は慌てて「大丈夫」と返して壁から手を離した。
「腰痛いんですか?」
言ったあとに葵はすぐさまピンときたように片手を口元に置くと、また「きゃー!!」と小さく叫んでジタバタとし出した。
「えっ…そんなにメイド服効果ありました!? 店長やっぱそういうのが好きなんですね! でも腰痛くなっちゃうくらいって…いやぁっ…ちょっとエッチすぎますよ〜」
「………メイド服…は、誤解だったみたい」
一応、店長の名誉のために、伝えるけど、葵はそんな事お構いなしで、顔をだらしなくさせて「はぁ、ほんとにエッチすぎ、やばい」とかなんとかごにゃごにゃと言っていた。
呆れた私は葵を放って更衣室から出る。
そして、いつも通り…とはいかないけど、のそりのそりと動きながら開店の準備を始めた。