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Blindfold
第6章 迷子
冷静に考えたらそうなのだろうか…
関係してしまえば何か変わるかもという
私の浅はかな下心…
全てはそれが元凶なような気がする───
「桜…」
真剣な眼差し。
店長はたまにそうやって私を見つめる。
「────お前は、ちゃんと『桜』だよ」
「っ………」
「俺はお前の姉貴に会ったこともないし、しらねぇし。だから、俺にとってお前は『桜』でしかない。
薫じゃねぇよ」
私を締め付けていた呪縛
形すら見えなかったそれが、店長の言葉で今浮き彫りなる。
「だから…」
立ち上がった店長は、私のことを見下ろして、ぽんと私の頭に手を乗せる。
「その、樹とかいう幼馴染も、解放してやれ」
解放………
それは……
「どうしようもなく寂しくなって、耐えられなくなったら、そいつのところじゃなくて俺んとこ来い」