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Blindfold
第6章 迷子
この人は、こんなに優しかっただろうか…
こんなに甘えていいんだろうか…
戸惑いはあるけど、何となく信頼して良い気がして、コクリと声を出さずに頷く。
すると、良し、と店長が微笑みながら言った。
そして、安心感から、睡魔が襲ってきてグラりと視界が歪んだ。
「おい、大丈夫かよ。寝てないんだろ?」
「はい…」
時計を見ると昼過ぎだった。
「開店までまだあるから、そこのソファーで寝とけ」
「え、でも……」
「いいよ。今日は平日だからどうせそんな人こねぇし。仕込みくらい一人でできる」
そして店長はうーっと伸びをする。
「てか、今のお前絶対使えねぇし」
「っ……そんな言い方しなくても」
「いいから寝ろって。襲ったりしねぇからさ」
「そんなこと心配してないです」
私の言葉を聞いて、チラと私のことを見た店長は、すぐに視線を外して、ふーん、と言った。