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嘘でもいいから
第10章 あの小さな手〜想side〜
ほんの数度の過ち。

きっと父さんの子に違い無いと
秘密を抱え産んでみたものの…
日に日にそのクズに似て行く俺。

いつか父さんが気付くかもしれない…

母さんは耐え切れず、
ついに父さんに打ち明けてしまった。


父さんももしかしたらと
思ったことはあったけど…
それは決して口に出してはいけない
聞きたくもない、ことだった。


言葉にした母さんが許せなかった…


そして優花が4歳になる頃
大切な家族は二つに大きく割れた。


…息子の俺が言うのも何だが
美人だった母さん。

独りになった母さんの周りには
常に男が寄ってきたが…
母さんはそれを寄せ付けなかった。

それなのに。

俺は母さんに嫌悪感を抱き続け…
冷たく接したんだ。
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