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嘘でもいいから
第3章 偶然の出逢い
仕事は完璧って…
向井さんは恥ずかしくなるような
セリフをさらりと言う人だ…


「はぁ…えっと…大丈夫ですよ?
じゃあ失礼します…」


一部しか電気の点いていない
薄暗いオフィスで…
酔いが回ったのか
ドキドキと動悸が激しい。

なんだか居心地が悪くなった私は
そこから逃げ出した。


「待って、待って!
優花ちゃんすごい酔ってるし
もう終電無いでしょ?
一緒にタクシーで帰ろう。」


エレベーターまで
追いかけて来てくれた向井さん…
いつもなら申し訳ないと断るけど。

今日の状況では…
向井さんがまるで神様みたいに見えた。

外に出て2人で少し歩く。
タクシー乗り場がすぐ近くにあるから
歩いて行く方が早いのだ。
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