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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第16章 ♦Half MooN♦
到底、人の手になるとは思えぬ巨大な池の傍が、ここのところの彼の憩いの場となっていた。徳宗が一人になりたがるので、大殿付きの内官や劉尚宮は少し離れた後方で王を見守っている。
巨きな池の水面には紅白の睡蓮が浮いている。池の周囲には名前も知らぬ小さな花が群れ咲いていた。野辺の草のような可憐な花だ。
徳宗はしゃがみ込むと、その白い可憐な花を一輪だけ摘んだ。
何故か、その花に一人の女の面影が重なる。
巨きな池の水面には紅白の睡蓮が浮いている。池の周囲には名前も知らぬ小さな花が群れ咲いていた。野辺の草のような可憐な花だ。
徳宗はしゃがみ込むと、その白い可憐な花を一輪だけ摘んだ。
何故か、その花に一人の女の面影が重なる。