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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第16章 ♦Half MooN♦
―大好きだった友達のいるこの村からも離れたくはなかろう。
徳宗の声が吐息と嗚咽に混じった。
だが、親としては、一国の王子をこのまま都からも離れた辺鄙な場所に葬ったままというのは、あまりに不憫なのだ。正式な王子として王族の陵墓に埋葬したいというのが親心というものだろう。
莉彩は腕に抱えた菊の花を小さな墓石に供えた。村の子どもたち―聖泰が毎日、一緒に遊んでいた子らが野辺に咲く花を一生懸命摘んでくれたものだ。
徳宗の声が吐息と嗚咽に混じった。
だが、親としては、一国の王子をこのまま都からも離れた辺鄙な場所に葬ったままというのは、あまりに不憫なのだ。正式な王子として王族の陵墓に埋葬したいというのが親心というものだろう。
莉彩は腕に抱えた菊の花を小さな墓石に供えた。村の子どもたち―聖泰が毎日、一緒に遊んでいた子らが野辺に咲く花を一生懸命摘んでくれたものだ。