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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第3章 【一人だけの結婚式】
〝好き〟という短いフレーズを口の中で転がしてみる。すると、それは一瞬の中にふわふわとした綿菓子のように溶けてひろがる。
切ないけれど、幸せな気持ちだった。
慎吾を想う時、こんな気持ちになったことは一度もなかったのに。
この瞬間、莉彩は、はっきりと認識した。
慎吾への気持ちは、恋ではなかったことに。そして、恐らく、この男とめぐり逢ったときから、真実の恋が既に始まっていたことに。