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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第4章 【接近~近づいてゆく心~】
莉彩は自分の腕など拙すぎて、弾くのも恥ずかしいほどだと思っているが、三十年近くカヤグムを続けてきたという崔尚宮にも出せぬ音を出せると賞められ、嬉しくないはずはなかった。
今日、莉彩はカヤグムをひそかに持参していた。拙い音色を王にお聞かせするのは畏れ多く、おこがましいとは判っている。しかし、莉彩にとっては、王は今でも雲の上の国王殿下であるよりは、初めて町中で出逢った青年のイメージが強いのだ。
今日、莉彩はカヤグムをひそかに持参していた。拙い音色を王にお聞かせするのは畏れ多く、おこがましいとは判っている。しかし、莉彩にとっては、王は今でも雲の上の国王殿下であるよりは、初めて町中で出逢った青年のイメージが強いのだ。