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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第4章 【接近~近づいてゆく心~】
新米女官という莉彩の立場では、到底、早くから部屋を抜け出すことは不可能だ。仕事が引けてからは、崔尚宮の部屋で礼儀作法やカヤグム、それに王朝の歴史といったものを学ばねばならず、自室に戻るのは夜更けになるのは常のことである。
一体、王がいつ頃来るのかも判らないのだ。待っても来ない莉彩に業を煮やして、既に帰ってしまったとも考えられる。
それでなくとも、十一月もそろそろ終わり近くなった晩秋の夜は寒い。呼吸をする度、莉彩の口から白い息が立ち上ってゆく。
一体、王がいつ頃来るのかも判らないのだ。待っても来ない莉彩に業を煮やして、既に帰ってしまったとも考えられる。
それでなくとも、十一月もそろそろ終わり近くなった晩秋の夜は寒い。呼吸をする度、莉彩の口から白い息が立ち上ってゆく。