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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第4章 【接近~近づいてゆく心~】
「私が考えるに、この簪は、そなたが元の場所に還る大切な鍵になるのではないかと思うのだ。あの老人の言葉から察するに、彼は、そなたが時を越えてここに来たことを予め知っていたのだろう。観相をすると申しておったが、到底、ただの商人とは思えぬ風格のある老人だった。あの老人は莉彩が髪に挿している簪を大切にせよと言った。その簪が莉彩とあちらの世界を繋ぐための大切な鍵だとも」
「殿下、それは」
言いかけた莉彩に、王は真顔で頷いた。
「殿下、それは」
言いかけた莉彩に、王は真顔で頷いた。