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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第4章 【接近~近づいてゆく心~】
「止めて、放して、放してよっ」
莉彩は渾身の力で暴れたが、両側から押さえつけられ、なすすべもない。二人ともに、か弱い娘の力とは思えないほどの腕力だ。
とうとう大妃殿に着き、大妃の前に引き出されることになってしまった。
大妃の居室は、実にきらびやかに飾り立てられていた。座椅子の背後には、満開の梅の花と鶯を描いた見事な衝立があり、不老長寿を象徴する桃の鉢植えを玉で細工した置物など、とにかく綺麗なもので溢れている。
莉彩は渾身の力で暴れたが、両側から押さえつけられ、なすすべもない。二人ともに、か弱い娘の力とは思えないほどの腕力だ。
とうとう大妃殿に着き、大妃の前に引き出されることになってしまった。
大妃の居室は、実にきらびやかに飾り立てられていた。座椅子の背後には、満開の梅の花と鶯を描いた見事な衝立があり、不老長寿を象徴する桃の鉢植えを玉で細工した置物など、とにかく綺麗なもので溢れている。