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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第5章 【約束】
莉彩は、頭に手をやった。今日は、あのリラの花の簪を挿している。劉尚宮に分相不相応だと咎められて以来、宮殿で身につけたことは一度としてなかった。今日は町に出かけるというので、少しお洒落をしてきたのだ。
莉彩は簪を結い上げた髪から抜くと、老人に差し出した。
「これを見て下さい」
老人は莉彩から簪を受け取ると、〝どれどれ〟と呟きながら、じいっと眺めた。
それまで優しげな光を湛えていた細い眼が途端に鋭さを帯びる。
莉彩は簪を結い上げた髪から抜くと、老人に差し出した。
「これを見て下さい」
老人は莉彩から簪を受け取ると、〝どれどれ〟と呟きながら、じいっと眺めた。
それまで優しげな光を湛えていた細い眼が途端に鋭さを帯びる。