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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第5章 【約束】
「お爺さんッ、待っ―」
しかし、呼び止め、追いかけようとしたときには、既に小柄なその姿は人混みに紛れ、見えなくなってしまっていた。
―ああ、行ってしまった。
莉彩は空気の抜けた風船のように、その場にくずおれた。
道端にうずくまる莉彩に、通りすがりの親切な女が気遣わしげに声をかけてくれる。
「どうしたの? 気分でも悪くなった?」
顔を上げると、ふっくらとした丸顔の女が優しげな笑みを浮かべて覗き込んでいる。
しかし、呼び止め、追いかけようとしたときには、既に小柄なその姿は人混みに紛れ、見えなくなってしまっていた。
―ああ、行ってしまった。
莉彩は空気の抜けた風船のように、その場にくずおれた。
道端にうずくまる莉彩に、通りすがりの親切な女が気遣わしげに声をかけてくれる。
「どうしたの? 気分でも悪くなった?」
顔を上げると、ふっくらとした丸顔の女が優しげな笑みを浮かべて覗き込んでいる。