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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第8章 【想い】
王はひたすら孤独だった。ただ、彼女に逢いたかった。この腕は切ないくらい彼(か)のひとを抱きしめたくて、抱きしめようと伸ばそうとするのに、彼女は遠い時の彼方にいて指一本触れることも叶わない。
―莉彩。
王は最愛の想い人の名を心の中で叫ぶ。
逢いたい、ただひとめで良いから逢いたい。
切なさと恋情が嵐のように荒れ狂う。煌々と地上を照らす満月を身じろぎもせず見上げる王の端整な横顔には、濃い翳りが落ちていた。
―莉彩。
王は最愛の想い人の名を心の中で叫ぶ。
逢いたい、ただひとめで良いから逢いたい。
切なさと恋情が嵐のように荒れ狂う。煌々と地上を照らす満月を身じろぎもせず見上げる王の端整な横顔には、濃い翳りが落ちていた。