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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第8章 【想い】
枝は長く伸びて壁を覆い尽くし、まるで花の滝のように流れ落ちて咲き回る。〝ポールズヒマラヤンムスク〟と控えめに記されたプレートが片隅についていた。
リラの花がここいらではありふれた花であるというだけでなく、恐らくこの店を訪れる誰もがまず最初にこの見事なつるバラのタペストリーの方に眼を奪われるに違いない。
だが、注文したコーヒーが運ばれてきて更に十分が経過しても、莉彩はリラの花の方をじっと見つめていた。
リラの花がここいらではありふれた花であるというだけでなく、恐らくこの店を訪れる誰もがまず最初にこの見事なつるバラのタペストリーの方に眼を奪われるに違いない。
だが、注文したコーヒーが運ばれてきて更に十分が経過しても、莉彩はリラの花の方をじっと見つめていた。