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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第8章 【想い】
額に落ちた前髪を何げなくかき上げる仕種さえ、十年前そのままに、思えた。もし一つだけ決定的に変わったところがあるとすれば、十年前、その瞳に宿っていた希望の代わりに諦めの色が濃くなったことだろうか。
「今、漸く気付いたよ。莉彩が十年前、突然に別れようなんて言い出したその理由は、俺の他に好きな男ができたからだったんだね?」
その淋しげな口調に胸をつかれる。莉彩が一度として耳にしたことのないような絶望的な響きがこもっていた。
「今、漸く気付いたよ。莉彩が十年前、突然に別れようなんて言い出したその理由は、俺の他に好きな男ができたからだったんだね?」
その淋しげな口調に胸をつかれる。莉彩が一度として耳にしたことのないような絶望的な響きがこもっていた。