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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第8章 【想い】
「だから、言っただろ。謝るのは止してくれ」
「判った」
莉彩は微笑んで頷いた。
その五分後、二人は〝ミルフィーユ〟の前で別れた。
ミルフィーユとは、幾層にも重ねて焼き上げた洋菓子を意味する。莉彩と慎吾は、共に過ごした歳月の分だけの想い、二人だけの特別な何かを積み重ねることができなかった。それが、別離の最大の原因なのかもしれない。
だが、その責任の一端が自分にないと、どうして言えるだろう?