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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第8章 【想い】
―これが殿下のご覧になりたいとおっしゃっていたリラの花です。
今、この瞬間、あの方は何をなさっているのだろう。きっと国中の民から〝聖(ソン)君(グン)〟と尊崇を受ける名君になられたに違いない。
ああ、お逢いしたい。ただ、ひとめで良いから、あの方にお逢いしたい。
莉彩は無意識の中に、リラの簪に手を伸ばして触れていた。あの方が似合うと言って下さった、この簪。大切な想い出の品。
愛おしむように、まるで恋人の手に触れるかのように、そっと触れる。
今、この瞬間、あの方は何をなさっているのだろう。きっと国中の民から〝聖(ソン)君(グン)〟と尊崇を受ける名君になられたに違いない。
ああ、お逢いしたい。ただ、ひとめで良いから、あの方にお逢いしたい。
莉彩は無意識の中に、リラの簪に手を伸ばして触れていた。あの方が似合うと言って下さった、この簪。大切な想い出の品。
愛おしむように、まるで恋人の手に触れるかのように、そっと触れる。