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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第9章 契り
よもや、あの美男の国王殿下の逞しい腕に抱かれた臨女官が羨ましいなどと考えていたとはおくびにも出せない。
「国王殿下、どうやら臨女官は他の者に陥れられたようにございます。南園の池に突き落とされたようで、私どもが助けたときには、既にこのような有様にございました」
王は花芳の科白を最後まで聞いてはいなかったようだ。
「許さぬ」
ややあって王の口から落ちた呟きは、思わず凍りついてしまうほど冷たい声だった。