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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第10章 【対立】
父である先王は、母を喪ったばかりの徳宗にそう言い聞かせた。
しかし、挨拶に来た幼い王子に対して中殿(大妃)は終始、素っ気ない態度で通した。
あまつさえ、王子にこう言ったのだ。
―立場が立場ゆえ、これからは私を〝母〟と呼ぶことを許しはするが、私は、そなたをけして我が子とは思わぬ。そなたもさよう心得ておくが良い。
わずか六歳の王子に、大妃は〝そなたを我が子とは思わぬ〟と言い切ったのだ。