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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第11章 いつか、きっと
いつか、きっと
その夜、莉彩は自室で一人、物想いに耽っていた。莉彩の手には、あのリラの簪が握られている。ゴールドの簪に可憐なリラの花が幾つかついたその簪こそが、徳宗と莉彩を結びつけたといっても良い。
莉彩の父が韓国のとある町の露店で見つけた不思議な簪は離れ離れになった恋人たちを結びつける力を秘めている。かつて李氏朝鮮王朝時代、何代めかの国王の寵姫が愛用していた品だという言い伝えがあった。