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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第14章 ♦MooN Light ♦
奇しくも、莉彩が五百六十年の時空を行き来するのには、月の満ち欠けが大きく影響しているようであった。最初に現代に戻ってきたのも満月の夜であり、二度目に現代に召還された夜もやはり月は満ちていた。
今夜のような明るい満月の夜が来る度、莉彩の心は切なく疼く。二度とは逢えないあの男を想い、涙が眼の淵までせり上げてくる。
だが、今の莉彩はもう泣いてばかりはいられない。莉彩は既に一児の母となったのだ。母親であるからには、恋しい男を想って泣くよりは子の身を考えねばならない。
今夜のような明るい満月の夜が来る度、莉彩の心は切なく疼く。二度とは逢えないあの男を想い、涙が眼の淵までせり上げてくる。
だが、今の莉彩はもう泣いてばかりはいられない。莉彩は既に一児の母となったのだ。母親であるからには、恋しい男を想って泣くよりは子の身を考えねばならない。