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第14章 　　♦ＭｏｏＮ　Ｌｉｇｈｔ　♦

　聖泰の名前を付ける時、莉彩は真っ先にあのひとを思い出した。その在位中から徳宗は万世を遍く照らす聖(ソン)君(グン)と尊崇を受ける偉大な国王であった。この子はその聖君と呼ばれる男の血を紛れもなく受け継ぐ子なのだ。
　生まれたばかりの子どもを見ながら、莉彩は懐かしい面影を眼裏に甦らせていた。
　〝聖泰〟という名は、まさしく父である徳宗にちなんで付けた名だ。〝聖君〟を父に持つ、泰平の世をもたらした偉大な朝鮮国王徳宗の子であるという証。