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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第14章 ♦MooN Light ♦
未練は棄てて、ただ遠い時の彼方にいる徳宗の治世が安からんことを祈らねばならない。たとえ、いかほど離れていようと、莉彩の心は常に徳宗と共にあり、あの時代にある。
莉彩は今も二人を繋ぐあのリラの簪を常に肌身離さず身につけている。惣菜屋のお仕着せ―白の割烹着にはおよそ似つかわしくない簪を後頭部で束ねた髪に挿している。
二人にとっては想い出のこもったこの簪は莉彩にとって、我が子と生命の次に大切なものだ。これを髪に挿していれば、いつも遠く離れた徳宗の傍にいるような気になれた。
莉彩は今も二人を繋ぐあのリラの簪を常に肌身離さず身につけている。惣菜屋のお仕着せ―白の割烹着にはおよそ似つかわしくない簪を後頭部で束ねた髪に挿している。
二人にとっては想い出のこもったこの簪は莉彩にとって、我が子と生命の次に大切なものだ。これを髪に挿していれば、いつも遠く離れた徳宗の傍にいるような気になれた。