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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第14章 ♦MooN Light ♦
やがて、その不気味なほどの静寂は徳宗の唸りで終わった。
「乳母はその子どもはそなた自身の子であると申しておったが―、その父親の名は頑なに口を閉ざして、けして応えぬと申しておった。子どもが母親一人だけで生まれてくるはずがない。子どもがおるからには、当然、父親となるべき男がいるはずだ。莉彩、その子の父親は誰なのだ? よもや、あの和泉という男ではなかろうな」
莉彩はうつむけたままの顔を上げようともせず、消え入りそうな声で応えた。
「乳母はその子どもはそなた自身の子であると申しておったが―、その父親の名は頑なに口を閉ざして、けして応えぬと申しておった。子どもが母親一人だけで生まれてくるはずがない。子どもがおるからには、当然、父親となるべき男がいるはずだ。莉彩、その子の父親は誰なのだ? よもや、あの和泉という男ではなかろうな」
莉彩はうつむけたままの顔を上げようともせず、消え入りそうな声で応えた。