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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第15章 ◆New MooN◆
しかし、この大妃ほど侮れない、怖ろしい女はいない。莉彩はこれまでにも二度、謂われのない罪で鞭打たれたことがあった。そのときのことを、けして忘れたわけではない。
「そなたが後宮から姿を消して、私としては正直申せば、ひと安心していたのだが、肝心の国王殿下は後添えを娶られるお気持ちもなく、さりとて、側室を置かれるつもりもなく、ほとほと困っておったのだ」
いかにも大妃らしい科白に、莉彩はつい笑みを浮かべてしまった。
「そなたが後宮から姿を消して、私としては正直申せば、ひと安心していたのだが、肝心の国王殿下は後添えを娶られるお気持ちもなく、さりとて、側室を置かれるつもりもなく、ほとほと困っておったのだ」
いかにも大妃らしい科白に、莉彩はつい笑みを浮かべてしまった。