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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第15章 ◆New MooN◆
「あの子どもは三歳というではないか。そなたが後宮から黙って姿を消した時期と考え合わせれば、殿下のお種だとしても、不思議はないと思うが」
「いいえ、そのようなことがあるはずもございませぬ。あの子が畏れ多くも国王殿下の血を引くなどと、あまりにも滅相にもないことにございます、大妃さま」
莉彩は声を震わせまいとするのに懸命だった。少しの動揺も見せてはならないと感情を抑えるのに必死になる。