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◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet
「あっ……あのこれには訳がっ……」
「なんだお前が何かしたのかっ!」
「いやっ……えっと、奈々さんっていうのは前読んでるっていったケータイ小説を書いてらっしゃる方で……この度書籍化が決定したみたいで……」
「はぁ?」
顔をしかめる光瑠に萎縮する真希。
アハハは愛想笑いする真希に、光瑠と要が詰め寄った。
「なんなんですか? この本は! どういった内容なんですか!」
「えっと……」
「いいから早く言え!」
「そっ、それは読んでからのお楽しみってことでっ……」
煮え切らない真希の答えに光瑠と要が顔を見合わす。
そんな大企業の2トップ2人に冷や汗をかきながら、真希は、すでに席について料理を待つ望の元へと逃げるように走っていった。
「あとで詳しく尋問だな」
「そうですね」
『近づいたら遠ざかる この心の距離は どう縮めていけばいいの──?』
そう書かれた帯を見つめながら、光瑠と要は、不思議そうに首を傾げていた。
【完】