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◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet


「そういえば社長! あっ……すみませんっ……お邪魔しましたっ……」



二人がゆっくりとキスをしていると酒田がその雰囲気をぶち壊すようにして入ってきた。




「ったく、なんだ!」



イライラと返事をする光瑠に、酒田は、すみませんと頭を下げて一冊の本を手渡した。



「なんだこれは」



『近くて遠い』と題された本。


そして……




「あれっ……これってすごいご主人様と関根様にそっくりっ……ていうか真希様もいらっしゃる!」



表紙の絵を見て、驚きの声を上げる愛花に、光瑠も同様目を見開いた。




「なっ……これはどういうことだっ……! 一体誰だこの奈々ってやつはっ……!」



「随分社長と副社長に似ている表紙の方があるという問い合わせがあったので見てみたら、真希さんもいて……」




酒田の神妙な面持ちに、周りが集まる。




「本当だ。これは僕だ……」




要もその表紙をみて驚く。




そして…



唯一反応した真希に自然とみんなの視線が集まった。


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