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◇なななの短編◇
第9章 大雪につき(Blindfold)
「…………」
店長に電話を掛けようとして、私は画面を見たまま固まった。
臨時休業ってことになったら、だ。
この大雪の中で、店長は絶対私に帰れとは言わないだろう。
『上行くか?』
そんなことを尋ねられてきっと二階の店長の家に行くことになる。
そしたら、店長はあの私の好きな紅茶を入れてくれて…
そんで、その後…多分…
「……バカじゃん、私」
1人で勝手に顔を紅くして、私はスマホをしまった。
行こっ…かな…
こんな単純なことで行動を決めるから、店長に子ども扱いされるんだ。
でもまぁそれでもいい。
そう思いながら、私は雪道をショートブーツのまま進んだ。