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◇なななの短編◇
第9章 大雪につき(Blindfold)
店の前について、いつも通り花壇を見つめた。
少し様子が気になって、入る前に花壇の前までいった。
冬だから、花を咲かせている植物は少ない。
雪、重くて折れたりしないのかな、と降り積もっている雪を見て思った。
でも、きっと店長がやらなきゃいけないことはやってる。
普段から、この花壇の手入れをしているし、そもそも実家が花屋なんだから、私が余計な心配をすることはないのだ。
ふぅ…と息を吐いて、私は再び扉の前に立つ。
ひんやりと冷たいノブ。
それを手前に引くと、いつも通り、カランと扉の鈴が鳴った。