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第9章 大雪につき（Blindfold）

はぁ…と息をつきながら肩を落とした店長は、カウンターに腰掛けると胸ポケットからタバコを取り出した。




「あの……」



「ん」



「電話…の要件って…」



「あぁ…」




ジッとタバコに火がつく。




「今日は臨時休業だから、来なくていいって、そう電話しようとしたんだよ」



「……やっぱり」




予想通りだ。



たかが雪で休むなんて、店としてはどうかしているかもしれないけれど、この店にとって、そのハードルは低い。




「やっぱりって、分かってたならこんな雪の中来るんじゃねぇよ」



「……それは…」





まぁ…確かに。


それはそうなんだけど、そんな風に怒らなくてもいいんじゃないかという不満も募る。