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◇なななの短編◇
第9章 大雪につき(Blindfold)


そうしたまま私の顔をジッと見つめるから、困り果てて視線を下へそらした。



「……なんですか」



「いや…」



「………」



「たまんねぇ…と思って」



「───…」





口癖と共に、優しく塞がれた唇。


少しそのままチュッと音を立ててすぐに離れてしまったことを少し寂しがっていると、店長が私の腕を掴んだ。




「上行くぞ」




予想は、『上行くか?』だったからちょっと外れた。


でも、そんなこと、どうでもよかった。





「……はい…」




そう返事をすると、店長はまた優しく微笑む。




雪って…正直、寒いし濡れるしめんどくさいって思ってたけど。



まぁ…でも…




「店長…」



「ん?」



「……あの紅茶、入れて」



その分、いつもの温かさがもっと心地よく思えたりするから、アリかも。




おぅ、と返事をした店長は、部屋につくなり今度はさっきと違った深いキスをして、私を蕩けさせる。




「───我慢出来ねぇから、お前のこと抱くのが先な」


「…ばか…っ…」




本日、


「Blindfold」


大雪につき、臨時休業です。





『大雪につき』おわり🌸
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