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◇なななの短編◇
第10章 レイは外!(この前、人を拾いました)
初めて子供の歯が抜けたみたいに喜んでるレイがおもしろくて、ふっと笑っていると、不意に顎を持ち上げられて私は目を見開いた。
「これついてたら、みきちゃんのこと、傷付けちゃうかもしれないだろっ!」
「え…」
ニコっと笑ったレイは
豆だらけの中で、私の唇をゆっくりと塞いだ。
いつも発情魔なくせに変なとこで我慢するんですね。
「抱き締めなかったのは、抱き締めたらキスもしたくなるからだっ!!」
「……へぇ…」
あぁ…どうしよう。
嬉しい。
「……だったら…コスプレしなきゃいいのに…」
「それはダメだっ!!行事のコスプレはうちの伝統だっ!」
…うちの伝統?
西園寺家でそんな行われてるの?
やばい家族だな…。
「みきちゃん好きだぁっ…」
何よ急に。
まぁ…
「……私も…」
だ…れど。
好き。
超…
結構……。
かなり……。
ふふふって笑いながら、レイの首に腕を回してキスをしていると、レイはゆっくりと私を押し倒した。
バリッ!!
「っ!!!あぁあああああっ!!」
そう───豆だらけの絨毯の上に。
『ハッピー節分』完