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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)

すげぇ、とか、おぉ、とか連呼している店長の横顔を見上げた。
……なんか、楽しくなってきた。
店長も、結構楽しんでそうだし。
横顔を見ながら、思わず緩く微笑んでいたら、私の視線に気付いたのか、ん?と言いながら店長が私の方を見た。
「次、行くか?」
コクと頷いて、彼の後ろを追い掛ける。
……やっぱ…手を繋ぎたい。
そんな気持ちがわき上がって、どうしようもなくなった私は、自分の手を彼の方に伸ばす。
握ったら振りほどかれる?
さすがにそんな事はしない…だろうか。
でも、なんか、私から手を握るのって小っ恥ずかしい。
行き場がなくフラフラとしている手。そして、私は後一歩の勇気が出ずに店長の上着の袖を掴んだ。
「………何だよ急に」
「…い…や……」
恥ずかしくて顔を上げられない。
しかもこれじゃあ手を繋いでるとは言い難いし、離そうかと思ったけどそれもしたくなくて必死に言い訳を探す。
「………転ばな…い…よう…にっ…?」
「…………ふーん」
それだけ言って前に向き直った店長の後ろ姿を見つめる。
ふーん…て…。
でも振りほどいてこないし…これで……いいか。

