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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)

「スケートリンクじゃん」
テレビ塔の麓。
小さなスケートリンクで数人が滑っている。
楽しそうにクルクルと回る小さな子。
とても器用だ。もしかしたら現地の子とかで滑り慣れているのかもしれない。
「滑るか……?」
「いや……さすがに。小さい子ばっかだし」
「確かに」
「………早く奥の雪像見たいです」
ん、と返事をした店長が方向転換をする。もうテレビ塔まで来たから、さっき通ったジャンプ台の所を超えて、ひたすら奥に進むだけだ。
店長の上着の袖を掴みながら、ワクワクと胸が高鳴る。
奥に歩みを進めようと思ったら、うぎゃあ!とものすごい声が聞こえてきて、再びスケートリンクに目をやった。
まるで漫画のようにステンと尻餅をついた彼女。
多分私と同じくらいか、もう少し若いかもしれない。
いたた……と腰を擦っている彼女に、華麗にスケートで滑って現れた黒髪の王子様のような彼に、ハッと息を呑んだ。

