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◇なななの短編◇
第2章 冬の思い出(近くて遠い)
見渡す限り一面真っ白な光景というのは、
昔、年越しをしに田舎のおばあちゃんちで行ったときしかみた事がなかったことに私は気付いた。
朝起きて、カーテンを開けたときのあの感動…
おばあちゃんが亡くなってからは、そんな風に雪が降る場所に行くことはなくなってしまった。
都会ではあまり雪は積もらないし、積もってもすぐ車の往来で汚れてしまう…
そんな雪に慣れてしまっていた。
だから──
今、久しぶりに目の前に現れた一面真っ白な光景を見て、
そうだ、これだ…
とおばあちゃんちでみた雪を思い出していた。
そして
目の前の小さな足跡と大きな足跡が
私を更に幸せな気持ちにさせていた。
すごいな…
二倍…いや、それよりあるかな?
そんなことを思いながら、私は小さな足跡と大きな足跡の大きさを目で比べていた。
そこに、サクッと音を立てて新たな大きな足跡が追加される。
「こんにちは…」
顔を上げると背景が白なせいでより際立った黒髪が目に入った。
「…要さん……、こんにちは。」
私が言葉を返すと、要さんは優しく微笑んで、遠くに視線をやった。
寒そうに肩をすくめる要さん…
なんだか、
要さんて雪がすごく似合う…
昔、年越しをしに田舎のおばあちゃんちで行ったときしかみた事がなかったことに私は気付いた。
朝起きて、カーテンを開けたときのあの感動…
おばあちゃんが亡くなってからは、そんな風に雪が降る場所に行くことはなくなってしまった。
都会ではあまり雪は積もらないし、積もってもすぐ車の往来で汚れてしまう…
そんな雪に慣れてしまっていた。
だから──
今、久しぶりに目の前に現れた一面真っ白な光景を見て、
そうだ、これだ…
とおばあちゃんちでみた雪を思い出していた。
そして
目の前の小さな足跡と大きな足跡が
私を更に幸せな気持ちにさせていた。
すごいな…
二倍…いや、それよりあるかな?
そんなことを思いながら、私は小さな足跡と大きな足跡の大きさを目で比べていた。
そこに、サクッと音を立てて新たな大きな足跡が追加される。
「こんにちは…」
顔を上げると背景が白なせいでより際立った黒髪が目に入った。
「…要さん……、こんにちは。」
私が言葉を返すと、要さんは優しく微笑んで、遠くに視線をやった。
寒そうに肩をすくめる要さん…
なんだか、
要さんて雪がすごく似合う…