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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)
「……そりゃあそうでしょ」
彼の脇から、冷ややかにそう声を掛ける女性が現れた。
「うるせぇな……」
「………お兄さん、とでも言われると思ったんですか?」
長身で線の細い体。
手足が長くてスタイルがいい。
少し茶色くて短い肩までの髪に、切りそろえられた前髪。
年は多分20代半ばくらいか、もしかしたらもう少し若いかもしれない。
美人だけど、かわいらしさもあるような、そんな顔立ちでイマイチ年齢が分からない。
「いや……思ってねぇけどっ…」
「じゃあなんでそんな落ち込んでるんですか」
「……もういいから抉んなっ」
冷ややかにそんな事を言う彼女はよく見ると、彼の袖の裾を掴んでいる。
年の差カップルってやつだろうか。
でも違和感のない、ステキな二人だ。
思わずニコリと微笑んでいると、彼女が私の顔を見て、ハッと息を飲んだ。
「あっ………」
「………?」
知り合い…?だろうか。
でも見覚えがないけど……
「どうか…しました?」
「あ、いえ…私が一方的に…」
「え……?」
「何でもないです…すみません」
よく分からずに首を傾げていると、係の人に、ヘルメットを被るように言われて、私は前に向き直った。