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◇なななの短編◇
第12章 なぁなぁな2人
智の肩から顔を上げた樹は、そこに舌を這わせる。
その感覚に、智は再び体を震わせて、ちょっとっ…!と樹に声を掛けた。
「だからっ…ここではしないって…!」
「うん……大丈夫。挿れんのは我慢する」
「そっ…んンっ……」
ギュッと抱き締めていた両手が緩まって、智の胸へと伸ばされる。
柔い抵抗をしながらも、智は樹に与えられた刺激に声を洩らしていた。
挿れんのはって……何もしないって言ったじゃんっ……
「あっ…んぁ…ちょっ」
そんな不満を口にする間もないまま、両方の乳首をギュッとつねられて、腰がうねる。
やっぱり声が響く。
それが恥ずかしくて、智は自分の口を両手で覆う。
そんな智を見て、樹は微かに口角を上げた。
「……それじゃあつまんないんだけど?」
「っぁ…っ…」
耳元で樹が囁いて、ゾワリと体が粟立つ。
ビクッと動いた腰。
快感から逃げようとする智の体を樹は片腕で引き寄せる。