この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
◇なななの短編◇
第12章 なぁなぁな2人
ちゃぽん…と水の音が鳴る。
それなりに広い湯船。
でもやはり、2人で入るのは狭い。
縮こまる智の背中を見つめながら、樹が、ねぇ…と声を掛けると、その声が浴室に響いた。
「なに…?」
「さっきの…『分かった』っていうのは…」
「うん…」
「お風呂でしてもいいよって意味?」
「っ……」
「それとも、何もしないなら、一緒に入ってもいいよって意味…?」
樹の質問に、智は躊躇いがちに顔だけ振り返る。
「……2つ目」
「え〜…」
悔しそうに顔を歪ませる樹を智が目を細めて見つめると、樹はそのままさらに体を近付けて智を抱き締めた。
「っ……」
背中に当たった固いモノに、智はビクッと体を震わせる。
勃ってるし…っ…
「それって……どうしても、っすか」
「……どうしても、っす」
「なんで、っすか」
「……声…響くから、っす」
プッと吹き出した樹は、智の肩に顔を埋める。
触り心地の良い肌。
笑いながらも欲情して止まらない。
………声が響くから、か…。
恥ずかしいってこと…?
今さらじゃねぇかな……