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◇なななの短編◇
第12章 なぁなぁな2人
「いつっ…きく…っ」
智の体に込み上げる波。
抗おうにも、樹にきつく抱き締められて、身動きが取れない。
水がうねりを見せて、湯船からバシャと音を立てて落ちていく。
「ともちゃん…ひざついて」
「えっ…あっ」
樹が体を起こした反動で、智は狭い浴槽の中で足を閉じたまま膝をつく。
「だかっ…ら…ここじゃっ…」
「挿れない…こするだけ」
「んあぁっ…」
突然腰を動かされて、目の前が弾ける。
湯気が立ち込めているからか、2人の視界がぼんやりと霞んでゆく。
「……っ…めっちゃいい」
「はぁっ……」
樹の出っ張りが、丁度智の敏感な中心に擦れる。
「ダメっ…それダッ…ンんっぁ」
何でこんなにも体が熱くなっているんだろうか…
恍惚の中、智はそんな事を考える。
いつもと違う場所だから……だろうか…
頭がぼんやりとして───…