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◇なななの短編◇
第14章 ホワイトデースペシャル(bloʇbnilᙠ)
手を伸ばして、桜の頭を撫でる。
「……っ…食事の邪魔しないで下さい」
「はいはい。スミマセンデシタ」
そのまま手を滑らせて、桜の口の隅についたケチャップを拭う。
「───────…」
「横取りしたりしねぇから、落ち着いて食え」
「……落ち着いてます」
「……それは失礼」
落ち着いてたらケチャップ口の端についたりしねぇけどな?
正直……そんな桜がかわいくて仕方がない。
クッと喉を鳴らしながら小さく笑っていると、皿に視線がいった。
「……………」
こんもりと山になったグリーンピース。
…………やっぱ、甘やかしてばっかりもいられねぇな。
そんなことを思いながらも、幸せって顔でモグモグとオムライスを頬張る桜を見ていると決意が揺らぐ。
「………まだ中身余ってっから…」
「…………?」
「食いたかったら……卵焼いてやる」
「……ふぁい」
早速甘やかしてる自分に呆れる。
前途多難だ。
………誰でもいい。
厳しくしつける方法を知ってる奴がいたら……「Blindfold」まで来てくれないだろうか。
そんなことを思いながら、俺はふーっと天井に向かって煙を吐いて頭を掻いた。
「ホワイトデースペシャル(bloʇbnilᙠ)」おわり