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◇なななの短編◇
第14章 ホワイトデースペシャル(bloʇbnilᙠ)
プンプンしてる桜を、タバコを吸いながら頬杖をついて見つめる。
結局、昨日は予想外にあんな展開になったせいで、数分遅れて開店させるので精一杯だった。
そのせいでオムライスを作る暇なく、翌日に持ち越しになってしまったわけだが……
「あっ………」
「おいおい」
勢い余ったせいか、桜の弾いたグリーンピースが一粒だけ皿からこぼれ落ちた。
それを掴んで、口に運ぶ。
そんなに味しねぇけど、これの何が一体嫌なんだか。
そんなことを思っていると、桜はスプーンでオムライスをすくって口の中に運んでいた。
横目でその様子を観察する。
「──────…っ…」
目を見開いた桜は、徐々に表情を緩めていく。
“おいしい……!”
そんな顔を見て、こっちまで顔が緩みそうになって、俺はタバコを咥えた。
「……うまいか?」
すかさず二口目を口に運んでいる桜に聞かなくてもいいことを尋ねる。
すると、ハッとした桜は、緩みきっていた顔を無理矢理無表情に戻そうとしていた。
「………ま、あ」
「ふっ……」
「何笑ってるんですか」
「……いや、別に」