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◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet
きゃっきゃと騒ぎながら、広い部屋を走り回る妖精。
「のんちゃんっ……まってぇー!」
その妖精をぐったりとしながら、中学生の隼人が追い掛ける。
遊んでもらえてそれはそれは嬉しそうな妖精は、私に顔を向けると、さらにパァッと顔を明るくさせて向かってきた。
「ままぁーー!!」
「わぁっ……もう、そんなに走り回らないの。危ないでしょ?」
へへへと微笑む娘の望(のぞみ)は、ぎゅっと強く私の身体に巻き付いた。
「本当にすばしっこいなぁ……。のんちゃんには追いつかないよぉ〜」
「はやとおにいちゃんがおそいだけ〜!」
「そんなことないよ〜ねえ? おねえちゃん?」
中学生の叔父さん。
何だか変な感じだけれど、隼人は望が産まれてから、すっかりお兄ちゃんだ。