この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet
「そうねぇ……」
望が着ている妖精の衣装の羽を整えながら、私は気の抜けた返事をした。
今日はハロウィーン。
衣装はようせいになるのっ! と突然叫びだした望のために手作りしたものだ。
そして今日は…──
「ぱぱは……?」
「少しだけ遅くなるって。早く妖精さん見たいって朝からワクワクしてたよ」
私の言葉に、隼人がフッと笑った。
「本当、光瑠って親バカ」
「ほんと」
それはそれはもう恥ずかしくて見てられないほど。
「それで……忘れてるぽかった?」
「うん、すっかり。望のことしか頭にない!って感じだった」
「良かった! そろそろ要も来るよね?」
そう隼人が言った瞬間、丁度良く部屋の扉が開いて、のぞみが「あ」と声を上げた。