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タケルと恭子の1224
第2章 21:00
「ごめんを言うのは
僕の方だよ


話・・聞かないで
電話ばっかりして

本当に
ごめんね


でももう
電源切ったから
誰の電話にも出ない

恭子ちゃんの話
朝まででも聞くから
だから


許してくれる?」





タケルは

恭子にコートを
はおらせるために
はなしてしまった
手を


もう一度
握りたいと
思っていた



でも


そんな
恋人のようなこと
できなくて


やっとの思いで
そっと
恭子の肩に
ふれた



すると
恭子は

マフラーに
顔を埋めるように
許してあげるよと
二度頷き

口元を隠したまま
タケルを見上げた


「・・よかった・・」


タケルから
笑みがこぼれたが

内心は
笑ったりなど
してはいなかった

恭子が心配で心配で
たまらないのだ



いつもと
様子が違う恭子が…とても。





恭子が
頷いた時


恭子の
ゆるく巻かれた
長い髪が
ゆれていた


いつもより

可愛らしく


いつもより



いい香りが
していた





俺と
会う時とは違う




恭子だ。






そんなことを
タケルは
考えていた



そして


失恋したのは

ついさっきなんだな…


と思った



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