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その口でその指で
第3章 醜い嫉妬
放課後新しい本との出会いを求め、一刻も早く男の事からはなれる為に図書室に向かった

「こんにちはー」

かちゃりと音を立てて扉を開き中の様子を見回す

電気の消えた室内に鍵の開いた扉が不自然で、彼女の中で妙な緊張感と不信感がわく

「まきのせんせー?いますかー?」

またあの光景を目にしたらどうしようか・・

不安な気持ちでゆっくりと室内に入っていく

「せんせー?いませんかー?」

しんと静まる空間に彼女の靴音と微かな緊張した息遣いと声が通過する本棚に吸収されていく

呼ぶ声のあとの静寂に気味の悪いものを感じる

大好きな本だけの空間に一人きりとなると面積的にもとても侘しさを覚える
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