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王子と専属メイドの戯れ
第1章 登校
「親指の長さどうですか?」


「ん、いいね。里音のお手入れは本当に丁寧だね」


「そんな…光騎さまの指が綺麗なんですよ。ではこの長さで揃えていきますね」


光騎さまは本当にお優しい方。
こうやって甘い笑顔でわたしを褒めてくれます。


そんな優しさのせいで熱くなる頬を感づかれないように、わたしは指先に意識を集中させます。


光騎さまの指先がわたしの手に触れているのを感じるだけで、とても幸せです。



あったかいなぁ。光騎さまの指。


わたしは指の一本、一本、丁寧にやすりをかけていきました。



そんなわたしを、光騎さまがじっと見つめていたことにも気づかず。
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