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王子と専属メイドの戯れ
第7章 下校
「里音、隙だらけだよ?」



光騎さまは少し唇を離した距離でそうおっしゃっいます。



「も…申し訳ございません…っ」



「そんな顔は、見せちゃダメだ」



「えっ…?」



光騎さまは頬に添えている手でわたしの輪郭を撫でます。


「こんな顔赤くして、目を潤ませて……」




「こ、これは……っ」


「ん?どうしたの?」



光騎さまはニンマリと微笑みます。
わたしが言いたい言葉をわかっている様子です。

わたしは続けました。


「これは……光騎さま……だから……っ」



わたしは消え入りそうな声でつぶやきます。


わたしの愛しいご主人様だから、こんなにもときめいてしまうんです。



どうか、わかってほしい…




小さな声でも、至近距離の光騎さまにはしっかり聞こえたようでした。


聞いた途端、光騎さまはさらに目を細めて微笑むと、満足そうに頷きました。




「里音は俺のメイドなんだから、俺にだけ隙を見せればいい」



低くつぶやかれたその言葉に胸が熱くなるのと同時に、わたしの唇がまた光騎さまのそれで塞がれました。





「…んぅ……」



光騎さま…わたし…世界一幸せなメイドです…っ!




わたしは光騎さまの腕に手を添えました。


少しでも長く、このキスが続くように。
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